久しぶりに雨らしい雨が降って雨音が聴こえる。
雨はいい。
何だか全てを洗い流してくれているようで心地がいい。
けれど雨が降ると思い出す事もたくさんあって切なくなる。
雨はどうしてこうも切なさと浄化を促すのだろう。
作為が招いた悲しささえ流されるような気さえしてくる。
わたしは夜と雨が好き。
でも暮らしているこの土地は晴天が似合う。
そんな場所だからこそ余計に雨が心地よく感じるのかもしれない。
吹いてくる風は何時も湿っていて埃っぽさが少ない。
わたしがここで暮らしている事に意味がある。
けれどその意味が未だ判らないし、多分ここを離れても判らないだろう。
生まれ故郷と言うよりホームタウンを離れて暮らす人は珍しくないし、ホームタウンには二度と戻らないと心に決めている人もたくさんいるのだろう。
わたしもその一人だし、そう考えるには相応に理由がある。
だけどその理由さえもう忘却の彼方へ消し飛んでしまって思い残す事など無くなった。
再度訪れるときは多分初めて来るような気分になるのかもしれない。
過ぎ去った過去は永遠にそこに佇むだけ。
過去を想ってみても時間は容赦なく流れ、自分の事などどうでもいいように地球は廻る。
心が重い時の雨は悲しくなるけど、恵みの時間でもある。
だって心の中にあるモヤモヤした何かをさえ流してくれる気がするから。
ほなね。